大津絵の誕生は、寛永年間あたりと考えられています。 庶民の日常の礼拝に用いられるものとして、仏画を中心に描かれ始めました。 安く制作できることが条件であったと言われています。
早い時期に世俗画へと転じていきました。
浮世絵風の美人たち(藤娘や文読む女、傘さす女など)が描かれはじめ、 その後大津絵師のアレンジが加えられていき、大津絵の画題が 確立していきます。 大津絵の画題として有名な「鬼の念仏」もこの頃から描かれています。
18世紀ごろから、大津絵と教訓を説いた道歌と結びつくようになりました。
表現は、滑稽味をおび、愛らしさが中心となった作品へとかわってきました。
画像に変化はありませんが、実用的な護符(おまもり)として手間を省く 描き方になってきました。 顔の表現や手足の描写に柔らかさがなり、淡白で愛らしい作品になって いきました。